[競馬]

第64回 菊花賞



三冠。



競馬を見始めて、10年とちょっとになった。
これほど、楽しみだった菊花賞は初めてだった。



…僕は、ナリタブライアンのレースを見た記憶がない。



なんでだろう。
あの時期だけ全くといってもいいほど競馬を見ていなかった。
当時、俺、小学校低学年だもん。見てなくても、当然だわな。
偶然に見たレース達が記憶に残ってるだけだから。



ただ、幼き日の僕の脳内に鮮明に残っているライスシャワー


そんな競馬はいくらガキの頃だろうが覚えてる。


忘れることが出来ない。そんな競馬で。


もう永遠に忘れることすら出来ないレースで…。


サイレンススズカだったり、スペシャルウィークだったり、エアシャカールだったり。


本気で好きだった馬のレースは、目をつぶれば、第四コーナーから蘇ってくる。



三冠のかかったレースって、それ以上なのかな…。



そんなこと思いながら、今日を待った。



先週、スティルインラブ牝馬三冠を達成した。
TVを通して確認した歴史的瞬間に感動し、その反面、なにか物足りなさを感じた。



三冠ってこんなもんなんだろうか。
感動して涙が流れるわけでもない。
嬉しくて、嬉しくてしょうがないわけでもない。
ああ、勝ったなぁ。ってたったそれだけ。


これが、三冠なんだろうか。
本当に、これが三冠なんだろうか。


やっぱり、所詮牝馬三冠なんだろうなって。



どこか…諦めがあった。





ネオユニヴァースは確かに強いだろう。
宝塚に参戦したのも立派だと思う。
間違いなくあのレースが盛り上がったのは確かだし、いいレースも見せてもらった。
強い馬だと思う。二冠馬だしね。やっぱり。

でも、思い出そうと思って脳内を探っても、皐月賞もダービーも思い出せない。
阪神競馬場のターフビジョンで見た、スプリングSすら思い出せない。そんな感じ。


ただ、印象が薄かったのかな。僕の中で。


正直、そんな馬に三冠馬になってほしくなかった。



…三冠見たかったけどね。



三冠馬の資格ってやっぱりあると思ってるから。



セントライトシンザン、シービー、ルドルフ、ブライアン。



彼らのレースには着差以上の何かが詰まってると思う。
いつみても、ドキドキするし、感動する。



そんなレースをネオユニヴァースが見せてきたかといわれると、正直答えられない。



三冠馬になる資質が足りなかったんだろう。



結果論だけどね。




そう思う。






サンデーサイレンスが逝って、もう一年と少し。




残された産駒は、もう限られている。



サンデーサイレンスの血が飽和する今の日本の競馬界。



志半ばで逝った彼は、三冠馬になれる可能性を秘めた馬を残してると信じている。




夢は、最後の最後の世代へ。




その夢の瞬間を、淀で感じれたらいいなぁ…と想うの。




跨るのは、もちろん豊でね…。




夢かもしれないけどね。






でも、夢くらいみないと、競馬は楽しくないなぁーって。






………。






競馬って本当に面白いなぁ…って思った…。